ブルボンとは、アラビカ種に分類されるコーヒーの一品種で、名前の起源はレユニオン島(旧ブルボン島)に由来します。
この記事では、ブルボンの起源、特徴、そしておすすめのブルボンコーヒーを紹介します。
ブルボンコーヒーの魅力と特性
ブルボン品種は、小粒で風味が豊かなことで知られ、世界中で栽培されています。
ブルボン品種は、アラビカ種の中でも、ブルボンはティピカと並ぶ高品質な品種として評価されており、耐病性は低いものの、その生産性と風味の良さで栽培者に愛されています。
ブルボンの歴史
ヨーロッパがコーヒー栽培を他国に広めようとした17世紀、オランダとフランスがアジアとアフリカにコーヒーを持ち込みました。
ブルボンは1715年にフランスによってレユニオン島に導入され、環境の変化による突然変異から新しい品種が誕生しました。
ブルボンの特徴と味わい
ブルボン豆は小さめであり、通常赤いチェリーですが、イエローブルボン(アマレロ)という黄色いバリエーションも存在します。
この品種はコクがあり、芳醇な甘みを持ちます。
ブルボンの主な生産国
もともと多くの国で栽培されていたブルボンですが、今日ではブラジル、グアテマラ、ルワンダなど、特定の国で主に生産されています。
ブルボンから派生した新しいコーヒー品種
ブルボン自体が突然変異によって生まれた品種であるように、その子孫の中にもさらなる突然変異によって誕生した新たなコーヒー品種が存在します。
ここでは、そうしたブルボンから派生した品種に焦点を当て、その特徴とブルボンとの違いを探ってみます。
パーカスの特徴と栽培
エルサルバドルで初めて発見されたパーカスは、ブルボンの突然変異種として知られています。
この品種は樹が小さく、豆も小ぶりであるため、ブルボンとは明らかに異なる外見をしています。
熟成期間が短く、生産効率が高いことから多くの農家にとって魅力的な選択肢です。
また、干ばつにも強く、標高の低い地域での栽培に適していますが、高い地域で育つとより風味豊かなコーヒーになるとされています。
カトゥーラの適応性と風味
カトゥーラは、1935年に発見された別のブルボンの突然変異種で、特に中米地域で広く栽培されています。
この品種は適応性が高く、低い樹高により収穫がしやすいのが特長です。
カトゥーラのコーヒーはフルーティな香りと爽やかな酸味が楽しめ、特に高品質のものは深い風味と後味を提供します。
ただし、持続的な生産のためには慎重な管理が必要であり、過度の収穫が木を疲弊させないよう配慮が求められます。
ブルボンを起源とするコーヒー品種
コーヒー豆の進化には自然の突然変異や意図的な交配によるものが含まれます。
これにより、適応性が高く育てやすい多くの新品種が誕生しています。
以下では、ブルボンを起源とするコーヒー品種について詳しく見ていきます。
パカマラの特徴
パカマラはエルサルバドルのコーヒー研究所で誕生した交配種です。
この品種は、パーカスとティピカの突然変異種マラゴジッペの両方から遺伝的特徴を受け継いでおり、特に大きな豆が特徴です。
高い標高で育てると、その風味がより豊かになるとされています。
独特な風味が評価され、表情豊かな味わいを提供する品種として知られています。
ムンドノーボの評価
ムンドノーボは1943年にブラジルで発見された品種で、ティピカの突然変異種スマトラとブルボンが自然に交配して生まれました。
この品種は病気や虫害に強く、その耐久性により安定した収穫が期待できます。
また、その味わいはコク深く、バランスの取れた酸味と苦みが特徴で、甘みも感じられます。
カトゥアイの栽培と特性
カトゥアイはブルボンの突然変異種カトゥーラとムンドノーボの人工交配により1949年に誕生しました。
この品種は果実が落ちにくいため、豪雨が頻繁にある地域でも栽培が可能です。
耐候性と高い生産性により、現在は中南米のコーヒー栽培で主要な品種の一つとなっています。
おすすめのブルボンコーヒー銘柄
ブルボン品種はその優れた風味で広く愛されており、派生品種を含め様々な銘柄が存在します。
ここからは、ブルボンを使った特におすすめのコーヒー銘柄をご紹介します。
どれも独自の特徴を持ち、コーヒー愛好家には見逃せない逸品ばかりです。
ブラジル産「ブルボン サントス」
「ブルボン サントス」は、ブラジル最大の港であるサントス港から名付けられたコーヒーです。
サントス港は世界最大のコーヒー輸出港としても有名で、この地から輸出されるコーヒー豆は「ブラジル サントス」と称されます。
中でもブルボン品種を使用した「ブルボン サントス」は、そのマイルドな味わいが広く支持され、初心者から熟練者まで楽しめる人気の銘柄です。
復活したレアコーヒー「ポワントゥ」
ブルボンポワントゥは、一度は忘れ去られたコーヒーの銘柄です。
このコーヒーはかつてブルボン島(現在のレユニオン島)で栽培されていましたが、19世紀初頭の栽培衰退により姿を消しました。
1999年には日本の企業がこのコーヒーの復活を試み、成功しました。
ポワントゥは「尖っている」という意味を持ち、その名の通り、繊細でフルーティな風味が特徴です。
まとめ
ブルボン品種とその子孫は、世界中で愛されています。
これらのコーヒーは、それぞれが独自の味わいと特性を持ち、同じブルボンでも多様な体験を提供します。
希少な品種や復活した銘柄など、ブルボンコーヒーはその奥深さでコーヒー愛好家を魅了し続けています。
ぜひ、これらの銘柄を飲み比べて、ブルボンコーヒーの豊かな世界を堪能してください。